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「Make in Vietnam」キャンペーでンベトナム

30/03/2021

Make in Vietnam(ベトナムで製造しよう)」というのは、デザインや革新を促進し、国内の製造業を盛り立てようと、ベトナム情報通信省が約1年半前に採用したスローガンだ。海外企業からのアウトソーシング業務や製品組み立てだけにとどまらせず、情報技術の活用でベトナム製造業を発展させようと鼓舞することがねらいだったが、当初の期待を上回る成果が見られるという。

ベトナムの情報通信技術(ICT)業界は、自らを再再構築できるチャンスの時を迎えている。

このほど開催された「2020年の発展を振り返り2021年の目標を定めるための会議で、グエン・マイン・フン情報通信相は、「組み立てや単純加工、海外などからの製品のアウトソーシング業務にとどまるのなら、ベトナムの製造業は停滞する」と述べた。一方で、ベトナムがデジタル技術を基調とした発展を目指す「Make in Vietnam」の戦略を採択し、新技術やデザインを習得、改革を推し進めたうえでの製造を採用するのなら、ベトナムの国内総生産(GDP)が現在の24倍に拡大することになるだろうとした。さらに、この戦略によって、ベトナムを2045年までにベトナムを発達した高収入国家へと押し上げることができるとの見通しを語った。

この信念は、ベトナムが携帯電話・携帯電話部品の製造で世界第2位であることや、電子機器・電子部品の製造で世界第10位に位置しているなどのデータに裏付けられている。これら2つはベトナムの主要輸出品の10項目にも入っており、情報通信技術産業はベトナム経済において、貿易黒字を達成している最大分野となっている。

2020年年初に、グエン・スアン・フック首相は、ベトナムにおけるデジタル技術企業の発展促進を指示した。すると、年末までに前年度比28%増の13000社が新設され、デジタル技術分野の企業数を58000社以上へと押し上げた。「2030年までにデジタル企業10万社を新設する」という目標も、2025年までに実現可能と思われるまでになった。

その推進力は、ベトナムが、新型コロナウイルスの感染対策やコロナ禍の社会に適合するデジタル製品などを迅速に開発したことに見られる。スマートフォン用の新型コロナ感染者追跡アプリ「Bluezone(ブルーゾーン)」や、感染者と隔離者の健康状態把握に用いるアプリの「Ncovi」、オンライン学習用アプリ「CoMeet(コミート)」などがこれらの一例だ。オンライン学習プラットフォームやリモートでの医療相談、商談など、コロナ禍の新基準に適応することができた。

フン情報通信相は、「おそらくベトナムは、新型コロナ時代のデジタルプラットフォーム設計を世界的に主導しているといえる。情報技術の習得や産業促進がなかったならば、実現していなかっただろう」と述べた。