ベトナム経済、2021年~2025年期に高成長の予測
今週、ハノイで、国立情報・経済社会予測センターとUNDP=国連開発計画ベトナム事務所は共同で、「2021年から2025年期のベトナム経済・回復と加速」をテーマにしたセミナーを行いました。席上、計画投資省のチャン・クォク・フオン副大臣は「2020年、大流行した新型コロナがチャンスに伴う試練をもたらす。2021年~2025年期に新たな動きが現れ、国際的な金融、投資、貿易活動やサプライ・チェーンを変化させ、長期的な経済回復に試練とチャンスをもたらすとの見解を示しました。また、2021年、経済を回復し、2021年~2025年期に飛躍するため、あらゆる新たなチャンスを活用することは重要な意義があり、2021年から2025年期の経済社会発展計画に盛り込まれた目標の達成を目指す」としています。
2020年、ベトナムのGDP=国内総生産の伸び率は2.91%で、プラス成長を維持した屈指の国の一つとなっています。また、経済活動の維持と疫病対応のバランスの確保により、ベトナム経済は地域と世界各国の中で群を抜き、回復力が高くなると評されています。また、2021年から2025年までの経済成長シナリオについて、国立情報・経済社会予測センターは、2つのシナリオがあると明らかにしました。
一つ目は、新型コロナが徐々に抑制され、世界経済が回復された場合、2021年のベトナム経済成長率は6.17%に、消費者物価指数は3.8%に、公共投資の伸び率は7%に達するというシナリオです。ベトナム政府は、マクロ経済を安定させるため、金融政策を柔軟に運営するとしています。
一方、2つ目のシナリオは、世界経済が予測より速いスピードで回復することを想定する楽観的なものです。その場合、2021年のベトナムの経済成長率は6.72%に、消費者物価指数は4.2%に達し、ベトナムの生産経営活動が正常の軌道に戻るとしています。
UNDPの代表Wiesen女史は、ベトナム経済の強い回復を目指すためには、製造業の輸出の強化や、経済成長と環境保護との調和の維持、省エネの推進などが重要であるとの助言を出しました。
ベトナムはこれから、経済の競争力の向上や持続可能な発展の維持、経済的・社会的平等の確保を目指すため、経済構造の転換を進める必要があるとの意見が多くの出席者から出されました。