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新しいチャンス

31/05/2021

現在の協力関係は両国の潜在力にまだ相応しくないと指摘されています。具体的には、両国間の貿易額がまだ低い水準にあり、2015年におよそ1億700万ドルにとどまりました。これに関し、イラン駐在ベトナムのグエン・ホン・タイク大使は次のように語りました。

 

「今後、ベトナムはイランに農産物や、果物、履物などをさらに輸出できると思います。実際、ベトナム産履物はイランの消費者に愛用されています。一方、イランはベトナムに石油ガスや、化学物質を輸出できます。」

観光も有望な協力分野と見られています。タイク大使によりますと、現在もイラン人にとって、ベトナムは魅力的な観光地ではなく、戦争があった場所として見られています。こうした中、イラン駐在ベトナム大使館は様々な活動を行い、ベトナム観光振興を進めています。例えば、セミナーを開くことや、イラン旅行会社をベトナムに招へいすること、ベトナムに関する展示会と伝統文化披露会の開催などです。

特に、今年1月、イラン駐在ベトナム大使館は、ベトナム観光に関するドキュメンタリー映画を製作するために、イランの映画製作者らをベトナムに招きました。これは、ベトナム観光に関する初のペルシア語による映画になっています。ベトナムを訪問するイラン人観光客の数が年平均1~2000人にとどまっている背景の中で、これは有意義なものと評されています。

先ほどのベトナムのタイクイラン大使は次のように語りました。

 

「観光はベトナムとイランとの関係の突破口を切り開くものと見られます。イラン人観光客はベトナムと近いタイにも足を運んでいます。ベトナムは美しい自然風景や、文化があるので、潜在力は大きいといえます。観光を通じて、ベトナムのほかの面での潜在力に気づくことは間違いないでしょう。」

今回、ロウハニ大統領は東南アジア3カ国への歴訪を行っていますが、ベトナムは最初の訪問先となっています。訪問期間中、双方は通商・投資・観光・農業の分野における協力を強化する措置について協議するほか、共に関心を寄せいている地域と国際問題について意見交換する見通しだということです。

今年3月に行われたチュオン・タン・サン国家主席のイラン訪問と共に、今回のロウハニ大統領のベトナム訪問は両国関係に新しい原動力を作り出すと期待されています。