投資情報


新型コロナ収束後の経済回復

07/09/2021

投資分野に携わる企業「ビナキャピタル(VinaCapital)社」のチーフエコノミストのマイケル・コラカリ氏は、「ベトナムは、生産能力がいかなるリスクにも直面しておらず、多国籍企業の魅力的な投資先であり続ける」との見方を示しています。コラカリ氏によりますと、中間所得層や、国内市場での消費、インフラ整備への投資の増加などは外国投資の増加につながるとしています。

また、エコノミストらは、「新型コロナによるパンデミックは深刻な被害を引き起こす一方、新しいチャンスをもたらす」と指摘しています。それらのチャンスは、デジタル化や、第4次産業革命、半導体産業を含む工業などに関わるのもということです。半導体産業に関し、テクノロジー調査・コンサルティング企業「テックナビオ(Technavio)」社は、「2020-2024年期におけるベトナムの半導体産業の年平均成長率は19%に達し、61億ドルを超える」と予測しています。

一方、半導体分野に携わる台湾の電子新聞「デジタイムズ(Digitimes)」は、「ベトナムの半導体産業の成長は『デジタル部門はGDP=国内総生産の30%を占める』という第13回ベトナム共産党全国代表大会の決議に盛り込まれた目標を上回る」と予想しています。

さらに、エコノミストらはEVFTA=ベトナムとEU=欧州連合の自由貿易協定などベトナムがこれまで締結してきた次世代自由貿易協定の実施効果に期待をかけています。EVFTAに関し、この協定は202081日に発効されてからこの一年間以上で双方の商取引が前向きな成長を見せています。今年上半期、ベトナムとEUの輸出入額はおよそ276億ドルに達し、昨年同期と比べ18.4%増となりました。

一連の新世代のFTAが展開されたことにより、ベトナムは輸出額と輸出能力で世界第22位に、数千億ドル相当のFDI=外国直接投資額を誘致し、多分野に携わる企業界を作り出しました。二国間と多国間自由貿易協定の交渉・締結・実施を通じて世界経済に主体的に参入することはベトナム経済と企業の競争力の向上に役立つと評されています。

パンデミックはベトナムに多大な困難を引き起こしてきましたが、党の正しい指導や、政府の効果的な政策、企業の努力、全国民の力、国際社会の支持・支援などにより、ベトナムは総合的な力を作り出し、疫病を制圧し、そして、疫病収束後に経済の回復・発展を推進し、多大な成果を収めると確信されています。