日越関係の新しい節目を記すクアン国家主席の国賓訪問
既にお伝えしましたように、日本側の招きに応え、チャン・ダイ・クアン国家主席夫妻は 5月29日から6月2日にかけて、国賓として日本を訪問しました。この訪問はベトナムだけでなく、日本の政界、経済界、科学界、報道界などの注目も集めました。今日のこの時間はこれをまとめてお伝えします。
クアン国家主席夫妻による日本国賓訪問にあたり、在ベトナム日本の梅田邦夫(うめだ・くにお)特命全権大使は記者団の取材に対し、両国の友好と協力関係について語りました。梅田大使によりますと、今年中、両国の国交樹立45周年を記念して、両国で、100件あまりの活動やイベントが行われ、その中で、クアン主席夫妻による日本国賓訪問は最も重要な出来事です。この訪問により、両国の高級指導者の相互信頼が高められます。また、政治や、海上安全保障分野における双方の協力が強化されると期待しています。
一方、伊達忠一(だて・ちゅういち)参議院議長はクアン主席との会見で、「クアン主席の訪問は両国関係の強化に貢献する」との喜びを表明しました。他方、日本経済団体連合会(経団連)の榊原定征(さかきばらさだゆき)会長は両国が外交関係樹立45周年を記念する中で行われるクアン主席の訪問を歓迎し、日本企業に対するベトナムの重要な役割を高く評価しました。
日本の科学界もクアン主席の国賓訪問に期待をかけています。明治大学の伊藤剛(いとう・ごう)教授は日越関係に関する記者団のインタビューに答え、その中で、「ベトナムが日本の政治・経済関係において重要な役割を果たしていることから、双方は互助経済関係と人的交流を発展させていく必要がある」と強調しました。クアン主席の今回の訪問に関し、伊藤教授は、「これは両国間の首脳レベルの交流活動であり、その協力のさらなる強化に繋がる。両国の首脳らの相互訪問は両国間の友好度を示すものである」とした上で、「クアン主席の訪問は両国関係の重要な節目を記す」との確信を表明しました。
報道界もクアン主席の訪問を評価しています。28日付の日本の英字新聞「ジャパンタイムズ」はクアン国家主席の日本国賓訪問に関する記事を掲載し、「この訪問は両国の広範な戦略的パートナー関係の強化、発展に貢献し、両国国民の願望と利益、アジア太平洋地域の平和、協力、発展に応えるであろう」と強調しました。
こうした中、NHKは、クアン国家主席の最初の日本訪問について伝え、群馬県の大澤正明(おおさわまさあき)知事との会見で発表されたクアン主席の言葉を引用し、「ベトナムの各地方と群馬県との交流は両国の友好関係の発展に大きく貢献するであろう」と報じました。東京新聞も、群馬県の大澤知事の言葉を引用し、「ベトナムとの協力関係をさらに深化させたい」と伝えています。