英国ベトナムFTA発効、EU離脱後の貿易・投資を継続
英国ベトナム自由貿易協定(UKVFTA)が昨年12月29日、ロンドンで正式に締結された。新型コロナウイルスによる影響で、ベトナムの代表者が英国に渡航できなかったため、代わりに両国の大使が署名した。
EUとベトナムの間ではEU・ベトナム自由貿易協定(EVFTA)が発効しているが、昨年末に英国のEU離脱に伴う「移行期間」が終了したため、UKVFTAは二国間貿易の混乱を防ぐための意味を持つ。チャン・トゥアン・アイン商工相は、「UKVFTAは、EVFTAから継承したルールと基準に基づいている。二国間貿易と投資を促進する新たな原動力となるだろう」と断言した。
UKVFTAは、EVFTAの原則に基づき、英国とベトナムの二国間貿易の枠組みに適合するよう必要な調整を加えたものだ。基本的にUKVFTAの内容はEVFTAと同様であり、物品貿易(一般的な規制、市場参入におけるルールを含む)、原産地規則、税関・貿易の円滑化、衛生と植物防疫のための措置(SPS)、貿易の技術的障害(TBT)、サービス貿易(一般的な規制、市場参入におけるルールを含む)、投資、貿易救済措置、競争、国有企業(SOEs)、政府調達、知的財産、貿易と持続可能な開発、協力、能力構築などを盛り込んでいる。 ベトナムにとって英国は、ドイツ、オランダに次いで欧州3番目の貿易相手国であり、ベトナム税関総局によると、2019年の二国間貿易額は66億ドル(約6800億円)に達した。また、2011年から19年の期間で、二国間貿易額の平均成長率は年12.1%だった。 ベトナムは主に、衣料品や繊維製品、靴、木材・木材加工品、水産物を英国に輸出し、医薬品や機械・装置を輸入している。ベトナムの対英輸出は急増しているが、輸出収入は英国の輸入額の1%未満であり、ベトナムが貿易取引を最適化することで、ベトナム製品が英国に進出する大きな可能性があると期待される。