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ASEAN共同体:重要な節目

09/08/2021

ASEANに加盟して以来、ベトナムはASEAN諸国との外交政策は新たな段階におけるベトナムの対外政策の重要な一部分となっており、党大会決議には近隣諸国やASEAN加盟諸国との関係を強化することや、ASEAN内の互恵を基礎とする協力の推進に尽力していくこと、ASEAN諸国との全面的かつ効果的な協力関係を促進していくといった方針が明記されています。

ベトナムはASEANへの加盟を多国間外交政策の核心に位置づけ、ASEANをコモンハウスと国家の安全保障を担保する緩衝帯として見なしています。

この26年間、ベトナムはASEAN加盟諸国とともに、ASEAN共同体の構築をはじめ、ASEANの重要な合意書や協力計画の展開に力を尽くしてきました。2015年末に、ASEAN共同体の設立が宣言されましたが、ベトナムはハノイ行動計画をはじめ、複数の構想を提案したことで貢献をしてきました。また、ベトナムは加盟諸国に先駆けてASEAN共同体の各目標の遂行に踏み切った国の一つとなっています。さらにベトナムはASEANの拡大を目指し、EAS=東アジア首脳会議へのロシアとアメリカの加盟、ADMM+=ASEAN拡大国防相会議の開催などを提案しました。これにより、ASEAN内だけでなく、ASEANとパートナー国との関係の強化に役立つと評されています。

ベトナムがASEAN加盟から3年後の1998年に、ASEAN議長国を務めました。その際、アジア金融・通貨危機収束後の回復や加盟諸国間の発展格差の是正を目指し、ベトナムはハノイ行動計画を作成しました。

2010年、2回目となるASEAN議長国を務めた際、ベトナムは平和・安全保障についてDOC =海上行動宣言の作成や拘束力があるCOC=海上行動規範の交渉を働きかけ、ベトナム東部海域(いわゆる南シナ海)の平和、安定の維持に貢献してきました。

特に、ASEAN加盟以来25周年となった2020年、ベトナムは3回目のASEAN議長国に就任しました。新型コロナウイルス感染症の大流行により、ベトナムをはじめ、ASEANは大きな試練に直面しましたが、ベトナムは議長国として新型コロナ対応でけん引役を果たし、新型コロナへの対応や新型コロナ収束後の回復、ASEAN内の経済連携の強化を目指す複数の構想を提案しました。